温石
これから本格的に寒くなってくると、部屋の中ではヒーターやこたつ等で暖をとりますが、屋外では携帯できる使い捨てカイロが重宝しますね。
先日、時代物の小説を読んでいて知ったのですが、カイロの歴史は中々に古く、平安時代にまでさかのぼるようです。火にくべ温めた石を布に包んだ「温石(おんじゃく)」と言うものがカイロのはじめと言われているそうです。時には石の代わりに温めたこんにゃくを使ったものもあるらしく、昔の人の知恵、発明には驚かされます。
温石に縁のあるもので「懐石料理」があります。
懐石料理は、茶道においてお茶を美味しくいただくため先に出される軽食のことを言います。
禅宗の修行僧の方々は日に何度も食事をしません。日に一度の食事では体も温まらないし空腹なので、気を紛らわせる為に温石を懐に抱いていたそうです。そのことを由来として「懐石料理」と名付けられたとか。
身近にある便利な物も、先人の方々の試行錯誤、苦労の末に現在の形になっているのだなと思うと頭が下がりますね。
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