専照寺だより

おはぎ

秋のお彼岸のお供え物として定番の“おはぎ”。春の“ぼたもち”との違いがよく話題にあがりますね。諸説あるそうですが、この2つは呼び方が違うだけで実際は一緒であるとのこと。さらに“おはぎ”の呼び名は、あまり知られていませんが、夏には“よふね”、冬には“きたまど”となり、四季によって呼び方がかわるそうです。

秋の“御萩(おはぎ)”は萩の花から、春の“牡丹餅(ぼたもち)”は牡丹の花からと、それぞれ季節の花に見立てた事から呼び名がついたようです。夏の“夜船(よふね)”と冬の“北窓(きたまど)”は、季節の花からではなく、言葉遊びから生まれた呼び名だそうです。“おはぎ”は、お餅のように杵で搗くことをしないのでいつ作ったかわからない事から「搗き知らず」、これが夏は「着き知らず」に変化し、夜に船がいつ着いたのかわからないことから“夜船”となり、また冬は「月知らず」に変化し、月が見えないのは北の窓であることから“北窓”と言われるようになったとの事。

同じ食べ物が四季によって名前を変化させるという所が日本らしく、風情があって良いですね。こういった背景を知れば、ご先祖さまにお供えするときに四季折々の情緒も味わえるかもしれませんね。

 

 

 

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