私が小学生の頃、精進料理を頂いた時の話です。精進料理を食べ終えた後、祖母に「美味しかった？」と聞かれ、「牛肉を甘辛く煮たものが美味しかった」と答えたところ「精進料理に牛肉が出るわけ無いじゃないか！」と大笑いされました。

自分の舌の未熟さを差し置いてもあれは牛肉と言っても差し支えの無いものであったと思っております。

こうした肉などに見せかけた所謂『モドキ料理』、“がんもどき”は代表的なもののひとつです。また豆腐をうなぎに見立てた、うなぎの蒲焼もどき料理などもあります。

精進料理とは、仏教の戒律に基づき殺生や煩悩への刺激を避けることを主眼として調理された料理でありますが、私たちは生き物を殺し、また煩悩を持たなくては生きてはいけぬ存在です。

普段の食事から、多くのいのちと食卓に上がるまでに、その食材に携わったさまざまな人たちに感謝の気持ちを忘れないように心掛けありがたく頂きましょう。

南無阿弥陀仏・・・

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