専照寺だより

読書

世の中にはありとあらゆる種類の物語があります。

非情に対する怒り、大切な人と別れる哀しみ、仲間と目的を達成する喜びなど、登場人物に感情移入したり、共感したりしながら読むことで、どんどん気持ちが物語へ入り込み、自分だったらその場面でどうするだろうかと考えさせられます。

共感するという現象は自分自身の経験を下敷きにしている、といえます。過去に経験した出来事が物語に誘発され思い起こされて「あの時自分は何を感じどのように行動したか」と再認識させられます。その記憶が苦々しいものでも温かなものでも、現在の自分を形成する精神的な根源と対面するのです。自分がどのように感じどのように考えるかという傾向を知ることができますし、何より物語を通じてあらゆる模擬体験ができる読書は魅力的ですね。

 

 

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